ある日鏡を見たとき、歯に穴が開いているのを見つけた方は、「虫歯ができている」と思うでしょう。
もちろん、穴が開く主な原因は虫歯なのですが、必ずしも虫歯を発症しているとは限りません。
他の症状によっても、同じような穴が形成されることがあります。
今回はこちらの点を中心に解説します。
●虫歯で歯に穴が開く仕組み
虫歯で歯に穴が開くのは、虫歯菌が酸をつくり出すからです。
虫歯菌は、食事などで歯に付着する糖分をエサに増殖します。
またその際には酸が生成され、口内が酸性に傾くため、歯の表面のリン酸やカルシウムなどが溶け出して歯に穴が開きます。
私たちの歯はエナメル質、象牙質という組織で構成されていますが、いずれも酸に弱いという性質があります。
エナメル質に至っては、人の身体でもっとも硬い組織であるにもかかわらず、酸の刺激によって簡単に溶けてしまいます。
●酸蝕症が原因の場合も
歯に穴が開いてしまった場合、酸蝕症が原因になっている場合もあります。
酸蝕歯は、飲食物に含まれる酸により、歯が溶ける疾患です。
例えばお酢や柑橘類、炭酸飲料などを口にしたときに起こりやすいです。
口内は唾液によって中性に保たれていますが、酸性度の高い飲食物を頻繁に摂取すると、口内が酸性に傾いて酸蝕症になりやすいです。
また逆流性食道炎など、胃や食道の疾患で口内が胃酸にさらされたときも、同じように酸性に傾いて酸蝕症を患うことが考えられます。
特に生えたばかりの永久歯は、エナメル質が薄く歯質がやわらかいため、酸蝕症が起こりやすい傾向にあります。
●くさび状欠損
歯に穴が見られる場合、くさび状欠損を発症していることも考えられます。
くさび状欠損は、歯周病によって生じる歯の根元部分の穴です。
歯周病が進行して歯茎が下がると、歯の頭の部分よりもやわらかい歯の根が露出します。
またこのような状態で歯の根部分をブラッシングすると、簡単に削れてしまい、歯と歯茎の境目に穴が開いたような状態になります。
くさび状欠損ができると、虫歯でなくても歯が削れて薄くなるため、神経に刺激が伝わりやすくなります。
そのため、知覚過敏の症状が出やすくなるのが特徴です。
●この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・虫歯で歯に穴が開くのは、虫歯菌が酸をつくり出すから
・酸蝕歯は飲食物に含まれる酸によって歯が溶ける疾患
・逆流性食道炎など、胃や食道の疾患で口内が胃酸にさらされたときも酸蝕症を患うことがある
・歯周病が進行すると、歯の根元に穴が開いたように見えるくさび状欠損が起こる場合がある
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!
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