慢性的な歯周病は、数多くの全身疾患と関係があるとされています。
こちらは、歯周病菌によって生み出される炎症反応性物質などが、全身のあらゆる組織に送られることが理由で、よく見られる症状の一つに“誤嚥性肺炎”が挙げられます。
今回は、歯周病と誤嚥性肺炎の関係について解説します。
●誤嚥性肺炎の概要
誤嚥性肺炎とは、食べ物や唾液が気道に入ってしまう誤嚥をきっかけに、主に口内の細菌が肺に入り込んで起こる肺炎のことをいいます。
他者から感染するものではありません。
特に誤嚥を起こしやすいのは食事のときであり、睡眠中などでも、唾液が肺に流れ込んで発症することがあります。
また、高齢者の方の肺炎の多くは誤嚥性肺炎であり、70歳以上は70%以上、90歳以上は95%近くを占めています。
●歯周病と誤嚥性肺炎の関係
歯周病は、歯の周囲の組織を壊してしまう病気です。
自覚症状がないまま、歯を支えている顎の骨を溶かしていき、最終的には抜歯になるケースも少なくありません。
また、嚥下機能が衰えている方が歯周病を患っている場合、食事のときにうまく嚥下ができず、食べ物や唾液と一緒に歯周病の原因菌も流れやすくなります。
このように、気管を通って歯周病の原因菌が肺の中に侵入した場合には、肺炎や呼吸器疾患を起こす可能性があります。
ちなみに、歯周病の原因菌は、他の口の中の細菌とは違い、炎症性物質を出すため、肺炎が悪化する傾向にあります。
●歯科クリニックでできる誤嚥性肺炎の予防について
歯科クリニックでは、歯ブラシでは落とせない歯石について、特殊な機器を用いた口腔ケアでキレイに落とすことができます。
ある臨床検査では、専門的な口腔ケアを定期的に受けている場合、57%も肺炎が減少したというデータが出ています。
また、誤嚥性肺炎には、免疫力も大きく関係していますが、こちらは栄養状態に大きく影響を受けます。
食事の摂取量が少ない場合は、噛む機能や飲み込む機能に問題があるケースが多く、こちらは虫歯の治療や入れ歯の修理、新調など、噛める状態に持っていく治療を受けることが大切です。
歯科クリニックでは、これらの治療も受けることが可能です。
●この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・誤嚥性肺炎は、食べ物や唾液が気道に入ってしまう誤嚥をきっかけに起こる肺炎
・嚥下機能が衰えている方が歯周病を患っている場合、食事のときにうまく嚥下ができず、誤嚥性肺炎を起こしやすい
・歯科クリニックでの口腔ケアや治療などにより、ある程度誤嚥性肺炎は予防できる
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!
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