危険因子とも呼ばれるリスクファクターは、ある症状を引き起こしたり、進行させたりする原因となるものを指しています。
歯周病においては、歯へのプラークの付着が主なリスクファクターですが、こちら以外にも原因はいくつかあります。
今回は、歯周病の意外なリスクファクターについて解説します。
●被せ物や詰め物の不適合
噛み合わせの高さが適正ではない被せ物や詰め物は、咬合性外傷の原因であり、歯周病のリスクファクターでもあります。
また、歯との接合部に段差や隙間がある不適合な補綴物は、そこにプラークや細菌が溜まりやすく、歯周病が進行しやすくなります。
このようなケースでは、被せ物や詰め物の再治療で、高さや段差、隙間を改善し、リスクファクターを除去する必要があります。
●薬の副作用
薬の副作用によって起こる歯茎の腫れは、歯肉肥大症と呼ばれるものです。
具体的には、歯茎が膨らむ症状であり、通常の歯周病とは異なり、歯茎の表面は硬く弾力性があります。
膨らみ方は大きく、歯の頭の大部分が隠れてしまうことも珍しくありません。
こちらは、てんかん薬のフェニトイン、高血圧症治療薬のニフェジピン、臓器移植後や自己免疫疾患の際に投与される免疫抑制剤のシクロポリンAといった薬の長期間服用で発症することがあります。
ちなみに、薬の副作用による歯周病の症状は、元々口の中が清掃不良で不潔になると、より起こりやすくなります。
このような場合には、歯の周りのプラークや歯石を取り除き、薬の量や種類を調整することである程度症状が緩和されます。
●遺伝
一般的には、歯周病そのものは遺伝しません。
特に、全体の90%を占める成人型歯周炎は、プラークコントロールが不十分なとき、40代くらいから症状が顕著に現れるもので、遺伝的要素は極めて低いです。
しかし、早期発見型歯周炎(若年性歯周炎)については、早くて11~12歳頃から発症し、こちらは家庭内での発生が多く見られるとされています。
つまり、遺伝の傾向が強いということです。
原因菌としては、アクチノバシラス・アクチノミセタムコミタンス(A.a.菌)というものが関与していると考えられています。
●この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・歯周病の主なリスクファクターは、歯や歯茎へのプラークの付着
・噛み合わせの高さが適正ではない被せ物や詰め物は、歯周病のリスクファクターになる
・てんかん薬や高血圧症治療薬の副作用で、歯周病の症状が出ることもある
・早期発見型歯周炎(若年性歯周炎)は遺伝の傾向が強い
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!
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