サイレントディジーズ(静かなる病気)とも呼ばれる歯周病は、自覚症状が少なく、発症していること気付くまで時間がかかりやすいです。
中でも、口臭は自身ではなかなか気付けない症状であり、こちらは周囲の方にも悪影響を及ぼします。
今回は、歯周病による口臭の仕組みと対策について解説したいと思います。
●歯周病による口臭の仕組み
歯周病によって発生する口臭の主な原因は、歯周病菌が生み出すメチルメルカプタンというガスです。
こちらは、揮発性硫黄化合物の一種であり、タマネギが腐ったようなニオイを発するのが特徴です。
また、メチルメルカプタンは毒性が強いことから、口臭を発生させるだけでなく、歯周病を悪化させる要因の一つとも考えられています。
その他、歯周病菌は卵が腐ったようなニオイの硫化水素、生ごみのようなニオイのジメチルサルファイドを発生させることもあります。
●症状が悪化すると口臭も悪化する
歯周病が進行すると、歯と歯茎の境目にある歯周ポケットはどんどん深くなっていきます。
歯周ポケットの中は酸素が少ないため、酸素が多い場所を好まない歯周病菌が活動を活発化させ、より口臭の原因となるメチルメルカプタンの産生量は増加します。
また、進行した歯周病では、歯の根元あたりに膿の塊ができる歯槽膿漏を発症することもありますが、こちらの膿の塊が破けると、さらに強烈なニオイを放つようになります。
これくらいの段階になると、自分以外の周りの方のほとんどは、口臭が発生していることに気付く可能性が高いです。
●歯周病による口臭の対策
生理的口臭であれば、定期的に水を飲んだり、ガムを噛んで唾液の分泌を促したりすることで、ある程度改善できる可能性が高いです。
一方、歯周病が原因の口臭は、いくら水を飲んでも、唾液の分泌量を増やしても、基本的には消えることがありません。
歯周病に対する根本的な治療をしなければ、いつまでも強烈な口臭を放ち続けます。
歯周病の根本的な治療としては、歯のクリーニングやスケーリング、ブラッシング指導などが挙げられます。
これらの治療により、プラークや歯石を除去し、健康な歯茎を取り戻すことで、初めて歯周病による口臭は軽減されます。
●この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・歯周病によって発生する口臭の主な原因は、歯周病菌が生み出すメチルメルカプタン
・歯周病が進行し、歯周ポケットが深くなると、さらに口臭は悪化する
・歯槽膿漏による膿の塊が破けると、さらに強烈なニオイを発する
・歯周病に対する根本的な治療を受けなければ、歯周病による口臭が改善することはない
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!
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