歯周病は、細菌感染によって歯茎が炎症を起こしたり、歯を支える骨が溶けたりする病気です。
初期は自覚症状があまりなく、気付いたら重症化していることも多いですが、れっきとした病気の一種です。
では、歯周病菌が人から人へうつるということは、果たしてあり得るのでしょうか?
今回はこちらの点について解説します。
●食器類の共有でうつるパターンが多い
冒頭で触れた通り、歯周病は細菌感染によって発症する病気です。
そのため、人から人へ細菌(歯周病菌)が移動するような行動を取れば、菌がうつる可能性は十分にあります。
また、歯周病菌がうつるパターンとして多いのは、お箸やスプーン、食器などの共有でうつるというパターンです。
例えば、親御さんが乳幼児に食べ物を噛んで与える際などは、食器を共有している可能性が高く、このような感染の仕方は垂直感染と呼ばれます。
●パートナー同士でうつることもある
歯周病菌は、親子だけでなく、恋人や夫婦などのパートナー同士でもうつることがあります。
こちらは、水平感染と呼ばれるものであり、主にキスなどの唾液を交えるスキンシップにより、菌がうつるケースを指しています。
もちろん、垂直感染と同じように、食器を共有したり、同じストローで飲み物を飲んだりといった行動でも、歯周病菌がうつる可能性はあります。
●“歯周病菌がうつる”と“歯周病を発症する”は異なる
親子間やパートナー間では、食器の共有やスキンシップにより、歯周病菌がうつる可能性があると解説しましたが、ここでいう“歯周病菌がうつる”と、“歯周病を発症する”は意味合いが異なります。
確かに、歯周病菌が人から人へ移動するという意味では、うつる可能性はありますが、うつった人が必ず歯周病を発症するというわけではありません。
なぜなら、私たちの口腔内には多かれ少なかれ歯周病菌が存在していて、歯周病を発症するかどうかについては、細菌の数ではなく、その人の免疫力が大きく影響しているからです。
例えば、免疫力が低い方は、歯周病菌が100億個に達すれば歯周病を発症しますが、免疫力が高い方は、歯周病菌が1,000億個を超えても歯周病を発症しないといったことが起こり得ます。
●この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・歯周病菌がうつるパターンとして多いのは、お箸やスプーンといった食器の共有
・パートナー同士のキスなどのスキンシップでも、歯周病菌がうつることはある
・親子同士の感染は垂直感染、パートナー同士の感染は水平感染という
・歯周病菌がうつっても、うつった人が必ず歯周病を発症するとは限らない
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!
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