歯列全体を覆う総入れ歯には、当然上顎に装着する部分、下顎に装着する部分があります。
装着時はどちらから入れても良いと思われがちですが、実際は上顎、下顎という順番で装着するのが望ましいです。
今回は、なぜ入れ歯を上顎から装着すべきなのかを中心に解説します。
安定性を確保するため
上顎を先に装着しなければいけないのは、その方が入れ歯の安定性を確保できるからです。
上顎の入れ歯は、上顎の粘膜に対し吸盤のように吸着します。
そのため、先に上顎を入れることで、入れ歯全体がずれない状態で下顎を装着できます。
一方、下顎の入れ歯は口内で動きやすく、特に付け始めの頃は安定感に欠けることがあります。
このことから、先に下顎を装着すると上顎をフィットさせるのも難しくなり、結果的に入れ歯全体の安定感を得られなくなってしまいます。
入れ歯の劣化を防ぐため
先に上顎の入れ歯を装着することには、入れ歯の劣化を防ぐという目的もあります。
先に上顎を装着すれば、上下の歯の噛み合わせをきちんと確認することができます。
そのため、噛み合わせのずれはなくなりますし、総入れ歯特有の不快感も軽減されます。
またこのような噛み合わせを維持することで、全体の咬合力が均等に分散され、特定の部分にだけダメージが蓄積することを防げます。
入れ歯はオーダーメイドでつくられるものであり、当然その患者さんの口内に合った形状になっています。
しかし、特定の部分にだけ負荷がかかりつづけると、その部分の劣化によって合わない入れ歯になってしまう可能性があります。
入れ歯の正しい装着方法
入れ歯を上顎から入れる際は、まず前歯の部分をつまみ、回転させるように入れます。
きちんと上顎部分が入ったら、最後に上顎の真ん中を指で押し、空気を抜いて吸盤の用に密着させます。
また下顎用については、口内に入れた後左右の奥歯の部分を少し押して装着します。
入れ歯を噛んで少しずつフィットさせる方法もありますが、これだけだとずれてしまう可能性があるため、指で押して装着感を確認するのは大切です。
ちなみに、入れ歯を外す際は逆に下顎から外します。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・総入れ歯は上顎、下顎という順番で装着するのが望ましい
・上顎を先に入れることで、入れ歯全体の安定感を得られる
・先に上顎を入れて噛み合わせを維持すれば、入れ歯の劣化を防ぐことができる
・上顎の入れ歯は前歯の部分をつまみ、回転させるように入れ、上顎の真ん中を指で押して密着させる
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!
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