審美治療は、歯や口元の美しさに焦点を当てた総合的な歯科治療です。
また代表的な審美治療の一つには、セラミック素材の詰め物や被せ物を装着するセラミック治療が挙げられます。
今回は、セラミック治療で使用される素材であるフルジルコニアの概要、メリット・デメリットについて解説します。
●フルジルコニアの概要
フルジルコニアは、耐久性の高いセラミック素材の一種で、人工的に合成されたジルコニウムからつくられています。
その強度と耐久性から、詰め物や被せ物、ブリッジなどの歯科治療で使用されています。
またフルジルコニアクラウンは、2005年に厚生労働省の認可を受けた比較的歴史の新しい補綴物です。
●フルジルコニアのメリット
フルジルコニアの詰め物や被せ物は、強度がとても高いです。
ジルコニアは天然ダイヤモンドに次いで硬い物質であり、大きな咬合力のかかる奥歯でも被せ物として十分に機能します。
また金属の補綴物と比べると審美性に優れていて、天然歯に似た色調や透明感を再現できます。
さらに、フルジルコニアはインプラントでも用いられているように、生体において悪影響を及ぼす可能性が低い素材です。
金属を含まないため、金属アレルギーの心配はありませんし、経年劣化によって金属成分が口腔内に漏れ出すことはないため、歯茎が黒ずむのも防止できます。
ちなみにフルジルコニアは、レジンのように素材の吸水性により、経年劣化で変色する心配もありません。
●フルジルコニアのデメリット
フルジルコニアのデメリットとしては、やはり自由診療になることが挙げられます。
フルジルコニアの詰め物や被せ物は保険が適用されないため、通常の保険診療と比較して高額になります。
またフルジルコニアを装着する場合、口内の状態によっては噛み合う歯が擦り減りやすいことがあります。
こちらはジルコニアの強度が高いことが理由です。
ちなみにフルジルコニアは強度が高い素材ですが、絶対に割れたり欠けたりしないという保証はありません。
急激に強い力が加わったり、持続的に強い力がかかり続けたりすると、破損してしまうことも考えられます。
●この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・フルジルコニアは耐久性の高いセラミック素材で、人工的に合成されたジルコニウムからつくられる
・フルジルコニアは強度や審美性、生体親和性などに優れている
・レジンのように経年劣化で変色するリスクも少ない
・フルジルコニアは強度が高すぎるあまり、噛み合う天然歯が擦り減りやすい
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!
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