歯周病は、プラークが原因で発症する病気であり、口内環境を悪化させるだけでなく、さまざまな全身疾患とも関係しています。
また、その全身疾患の一つに挙げられるのが糖尿病です。
今回は、糖尿病の概要について、そして歯周病と糖尿病の関係性について解説したいと思います。
●糖尿病の概要
糖尿病は、血糖を下げるホルモンであるインスリンの作用が十分でないことから、ブドウ糖が有効に使われず、血糖値が高くなっている状態です。
糖尿病には、1型糖尿病や2型糖尿病、妊娠糖尿病などの種類がありますが、一般的に糖尿病と言うと、生活習慣病の1つである2型糖尿病を指すことが多いです。
日本の糖尿病患者の90%が2型糖尿病と言われていて、こちらは遺伝的な体質に加え、過食や運動不足、肥満、ストレスなどが重なることによって発症します。
●糖尿病の人は歯周病になりやすい?
一見、歯周病と糖尿病には何の関係もないように見えますが、実はこれらの病気は深く関係しています。
健康な方に比べて、糖尿病を患っている方は、唾液の分泌量が少ないです。
さらに、唾液中の糖分の濃度が高く、こちらがプラークの付着、細菌の増殖などにつながり、歯周病を発症させる原因となります。
また、糖尿病による高血糖状態が続くと、白血球機能や免疫反応が低下し、歯周病の発症、悪化リスクは高くなります。
つまり、糖尿病の方は、特に注意しなければ、歯周病というまったく別の症状に悩む可能性が高いということです。
●歯周病の方が糖尿病になるリスクも高い
先ほど、糖尿病の方は歯周病のリスクが高いという話をしましたが、逆もまた然りです。
歯周病を発症すると、歯周病気から出る毒素が血液を介し、全身に広がります。
こちらは、インスリンの働きを低下させ、血糖値を上げる原因になり、ゆくゆくは糖尿病につながるおそれがあります。
また、歯周病の症状の1つである炎症は、生体の傷害に対する防御反応の1つですが、このときには特殊な細胞が集まり、さまざまな伝達物質が体内を駆け巡ります。
これらの細胞や伝達物質が、インスリンの働きを妨げることも、歯周病が糖尿病につながる理由の1つです。
●この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・糖尿病は、インスリンの作用が十分でないことから、ブドウ糖が有効に使われず、血糖値が高くなっている状態
・糖尿病の方は、唾液の分泌量や免疫機能が低下し、歯周病を発症しやすくなる
・歯周病菌や炎症に伴う細胞、伝達物質の作用がインスリンの働きを妨げ、糖尿病を発症することもある
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!
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