唾液は耳下腺、舌下腺、顎下腺などさまざまな唾液腺から分泌されるものであり、通常1日に1~1.5リットルほど分泌されます。
また、唾液の分泌量を増やすことで、口腔内の環境が良くなり、虫歯予防につながります。
今回は、一体どのようなメカニズムで、唾液の増加が虫歯予防につながるのかについて解説します。
●酸性に傾いた口内を中性に戻す
唾液にはpH緩衝作用というものがあり、こちらは虫歯予防につながる作用の1つです。
pHとは、水素イオン濃度の略称であり、その名の通り溶液中の水素イオンの濃度を指しています。
pH7を中性とし、それより値が小さければ酸性、大きければアルカリ性になります。
また、口腔内はもともと中性に保たれていますが、食事を摂ったり飲み物を飲んだりすることにより、酸性に傾きます。
つまり、pH値が低くなるということです。
このような状態になると、歯の表面からリンやカルシウムが溶け出し、虫歯につながりやすくなりますが、唾液には酸性に傾いた口腔内を中性に戻してくれる効果があるため、増加すればするほど虫歯のリスクは低くなります。
●再石灰化を促す
唾液の再石灰化作用も、虫歯予防につながるメカニズムの1つです。
先ほども触れましたが、口腔内が酸性に傾くことにより、歯の表面からリンやカルシウムといった成分が溶け出します。
こちらは脱灰と呼ばれるものであり、虫歯の初期段階に当たりますが、再石灰化によって修復が見込める段階でもあります。
再石灰化は、脱灰によって溶けだしたリンやカルシウムが再び歯に取り込まれ、元の状態に戻ることをいい、唾液の量が多ければ多いほど、再石灰化は活発に行われるため、虫歯予防の効果は高まります。
●自浄、抗菌により口内環境を整える
自浄や抗菌により、口内環境を整えることも、唾液の増加が虫歯防止につながる理由の1つです。
虫歯菌は、口腔内にとどまっている食べカスに集まって歯垢を形成し、そこからどんどん増殖していきます。
唾液の分泌量が多ければ、自浄作用により、しっかり歯磨きで取り切れなかった食べカスや歯垢を洗い流してくれます。
また、唾液には、リゾチームやペルオキシダーゼといった物質が含まれていて、これらは虫歯菌に対する抗菌作用を発揮し、外部からの侵入や増殖を防いでくれます。
●この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・唾液は唾液腺から分泌されるものであり、通常は1日に1~1.5リットルほど分泌される
・唾液には酸性に傾いた口腔内を中性に戻し、虫歯を予防する役割がある
・唾液の量が多ければ多いほど、再石灰化は活発に行われるため、虫歯になりにくい
・唾液には自浄作用、抗菌作用もある
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!
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