歯周病は非常に厄介な疾患であり、発症率が極めて高いだけでなく、全身疾患を引き起こすケースもよく見られます。
例えば心臓病や脳卒中などのリスクが高まるとされていて、身近なところでいうと腹痛を引き起こすこともあります。
今回は、歯周病と腹痛の関係性を中心に解説します。
●歯周病が腹痛を引き起こす仕組み
歯周病を発症すると、歯茎の腫れや出血など、口内の症状が出るというイメージが強いかと思います。
もちろんこちらは事実なのですが、さらに悪化すると歯周病菌が体内に入り込む可能性が高まります。
また歯周病菌は、胃炎などを引き起こすピロリ菌と似ているため、体内に侵入することで消化器系に悪影響を与えます。
その結果、腹痛だけでなく嘔吐や下痢などの症状を引き起こすことがあります。
●胃潰瘍につながることも
歯周病を発症すると、単なる腹痛だけでなく、胃潰瘍につながることもあります。
こちらも歯周病菌がピロリ菌と似た症状を引き起こすことが原因です。
胃潰瘍は、胃液に含まれる胃酸と、胃酸から胃壁を守る粘膜のバランスが崩れることで起こる疾患です。
疫学的には、胃潰瘍と十二指腸潰瘍をあわせて消化性潰瘍と呼んでいます。
胃潰瘍を発症した場合、特に空腹時もしくは食後に、みぞおちあたりの痛みを生じるようになります。
また胃の裏側にあたる背中部分の痛み、胃のもたれ感やそれに伴う食欲不振、吐き気や嘔吐、血便などの症状も見られます。
ちなみに胃潰瘍はストレスが原因で発症するイメージが強いですが、実際はよほど尋常ではないストレスでなければ、潰瘍にまで至るケースは少ないです。
●歯周病から来る腹痛の対処法
歯周病によって引き起こされる腹痛は、歯周病自体を治療しなければ完治することはありません。
それでも、一時的に痛みを抑えたいという場合は、身体を安静にしたりお腹を温めたりする方法が有効です。
横になれる場所であれば横になり、身体を締め付けるベルトや下着は緩めます。
また痛い部分を優しくゆっくり手でさすったり、カイロを貼ったりするのも良いでしょう。
その他、白湯や経口補水液で水分補給をする方法もおすすめです。
●この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・歯周病菌は胃炎などを引き起こすピロリ菌と似ているため、体内に侵入すると腹痛や嘔吐、下痢などを引き起こす
・歯周病は単なる腹痛だけでなく、胃潰瘍を発症させることもある
・歯周病から来る腹痛の痛みを一時的に抑えたい場合、身体を安静にしたりお腹を温めたりする方法が有効
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!
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