歯科クリニックで行われる歯周病の基本治療としては、スケーリングやルートプレーニングなどのプラークコントロールなどが挙げられます。
また、ある程度進行した歯周病については、外科手術が行われることもあります。
ここからは、“歯周ポケット掻爬術”の概要やメリット、注意点などについて解説します。
●歯周ポケット掻爬術の概要
歯周ポケット掻爬(そうは)術とは、歯周ポケットが4~5mmの中程度にまで進行した歯周炎に対して行われる治療のことをいいます。
フラップ手術とも呼ばれます。
方法としては、まず麻酔をして目に見えない歯の根に付いている汚れを取り、根の表面をツルツルにします。
その後、歯周ポケットの内側の炎症を起こしている歯茎についても、器具を使って取り除きます。
●歯周ポケット搔爬術のメリット
深い歯周ポケットの底部まで歯石が付着している場合、スケーリングやルートプレーニングを行う際、術野を直視できないため、すべてを完全に取り除くのは難しくなります。
一方、歯周ポケット搔爬術は、歯茎を切開し、医師の直視下で徹底的にプラークや歯石を取り除くことができます。
そのため、取り残しが発生することがほとんどありません。
また、汚れや感染した組織をかき出す治療であるため、悪化した口内環境をリセットすることができるのもメリットです。
一度歯周ポケットが改善された口内は、ブラッシングなどのセルフケアも行いやすくなります。
●歯周ポケット搔爬術の注意点
歯周ポケット搔爬術を受けることにより、汚れや感染した組織を取り除くことができますが、歯槽骨や歯根膜、セメント質など、失われた歯周組織を再生できるわけではありません。
あくまで、すでに汚染された歯周組織を口内から排除することが目的です。
また、歯周ポケット搔爬術を受けた多くの患者さんで、術後に歯茎が下がるというケースが見られています。
こちらは、かき出すという治療の作業上起こりやすくなるものであり、歯茎が下がると知覚過敏が誘発されたり、ブラックトライアングルができることにより、審美性が低下したりといったデメリットが生まれます。
●この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・歯周ポケット掻爬術は、中程度にまで進行した歯周炎に対して行われる治療
・歯周ポケット搔爬術は直視下でできる治療であるため、プラークや歯石の取り残しが発生しにくい
・治療を受けることで、悪化した口内環境をリセットできる
・治療後には歯茎が下がり、知覚過敏やブラックトライアングルを引き起こす場合がある
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!
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