歯周病は、悪化すると歯茎だけにとどまらず、歯を支える骨などが溶けてしまう恐ろしい病気であり、日本人のおよそ8割がかかっているとされています。
では、歯周病は、糖尿病などの生活習慣病と同じように、親から子へ遺伝することはあるのでしょうか?
今回はこちらの点について解説します。
●歯周病は遺伝するのか?
結論からいうと、歯周病がそのまま遺伝することは基本的にはありません。
歯周病は、歯周病菌に感染して増殖し、それに対して人間の抵抗力が弱まったときに発症、進行するため、遺伝性はないのです。
また、親子で歯周病の症状が見られる場合は、遺伝したわけではなく、同じような生活習慣を持っていることが原因と考えられます。
例えば、同じ食生活を送っていたり、いずれも口内のケアがおろそかであったりすると、親子で歯周病にかかることもあります。
●遺伝しやすいタイプの歯周病も存在する
一般的に歯周病という場合、成人型歯周炎(慢性歯周炎)のことを指すケースが多いです。
成人型歯周炎は、30~40代頃に発症し始め、ゆっくりと進行していくものですが、中には少し変わったタイプの歯周病も存在し、これらの中には遺伝しやすいものも存在します。
具体的には、以下のような歯周病です。
・早期発見型歯周病
・急速進行性歯周炎
早期発見型歯周炎、急速進行性歯周炎は、10~20代のうちに発症するもので、家族内で発生するケースが多く見られます。
●歯周病につながる病気が遺伝することは十分にある
前述の通り、変わったタイプの歯周病は、親子間で遺伝するケースがあります。
また、歯周病につながる以下のような病気が遺伝するというケースも十分考えられます。
・好中球減少症
・パピヨン・ルフェーブル症候群
・ダウン症候群 など
好中球減少症は、血中の好中球数が減少する遺伝性のある病気で、こちらにかかっている方は歯周病菌をはじめとする細菌に感染しやすくなります。
また、パピヨン・ルフェーブル症候群の場合、乳歯が生えてきてすぐに歯周病を発症し、歯槽骨が急速に吸収され、乳歯が抜け落ちてしまうことがあり、ダウン症候群の場合も、重度の歯周病が乳歯、永久歯問わず発生します。
●この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・一般的な歯周病が親から子へ遺伝することは基本的にはない
・食生活やデンタルケアが適切でない親子は、いずれも歯周病にかかりやすくなる
・早期発見型歯周炎や急速進行性歯周炎など、遺伝しやすいタイプの歯周病もある
・好中球減少症やパピヨン・ルフェーブル症候群などが遺伝し、歯周病につながることがある
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!
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