初期の歯周病はほとんど症状がなく、ある程度進行したタイミングで、歯茎の炎症や出血、歯の動揺や口臭などの症状が現れます。
また、妊娠している方が歯周病を発症すると、早産のリスクも上がってしまうとされています。
今回は、こちらの内容の詳細について、早産につながる仕組みについて解説していきたいと思います。
●歯周病と早産の関連性について
妊娠中の女性が歯周病を発症した場合、妊娠22週以降37週未満の出産を指す早産や、低体重児出産(出生体重2,500g未満の出産)におけるリスクが高まります。
通常、胎児は女性のお腹の中で成長し、約10ヶ月をかけて身体の機能を成熟させて生まれます。
しかし、早産で生まれると、成長発達が十分でない場合が多く、何らかの病気や発達に対する障がいが見られる可能性があります。
また、早産の中でも、妊娠22~23週に生まれた胎児については、生存率が50%にまで低下してしまいます。
●歯周病が早産につながる仕組み
妊婦の方が歯周病を発症し、早産になってしまう仕組みには、プロスタグランジンという物質が大きく関係しています。
プロスタグランジンは、痛みや発熱、炎症に関与する物質であり、こちらは出産が近づくと子宮で分泌され、分娩が始まります。
しかし、歯周病による炎症が広がると、その炎症を抑制しようと同じ物質が形成され、子宮の圧縮が促進されます。
こちらが、早産につながる仕組みです。
ちなみに、妊娠中は悪阻で食事や歯磨きが不十分になったり、胎盤でつくられるホルモンが歯周病菌を増殖しやすくしたりするため、歯周病が悪化しやすくなります。
●妊娠中の口内ケアについて
妊娠初期のうちは切迫流産の危険性があるため、緊急を要する治療が必要な場合以外、基本的には歯科クリニックでの治療ができません。
そのため、歯周病を防ぐために、しっかりと口内ケアをする必要があります。
具体的には、妊娠初期からフッ素配合の歯磨き粉でブラッシングを行い、悪阻がひどい場合には、香料、味の強い歯磨き粉を避け、コンパクトヘッドの柔らかい歯ブラシを使用しましょう。
また、妊娠中期から後期は、口内の自浄作用が弱まったり、出産後の準備などでブラッシングがおろそかになったりしがちなため、特に意識して口内ケアをしなければいけません。
●この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・妊娠中の女性が歯周病を発症すると、早産や低体重児出産のリスクが高まる
・早産で生まれた胎児は、病気や障がいが見られる可能性が高い
・歯周病による炎症が広がると、その炎症を抑制しようとプロスタグランジンが形成され、早産につながる
・歯科クリニックに通わなくても良いよう、妊娠中の口内ケアを徹底するのが大切
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!
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