歯周病は、軽度の場合には歯茎の炎症や腫れ、赤みといった症状を引き起こし、重度の場合は歯を溶かしてしまうこともあります。
また、さまざまな疾患につながることでも知られていて、その1つにアルツハイマー病が挙げられます。
今回は、歯周病がアルツハイマー病の原因となる仕組みを中心に解説します。
●アルツハイマー病の概要
アルツハイマー病は、アルツハイマー型認知症とも呼ばれるもので、認知症の中でもっとも患者数が多いタイプです。
何らかの原因になり、記憶や認識、判断といった認知機能が低下し、生活にも支障をきたします。
特徴的なのは物忘れが多くなることであり、加齢によるものとは違い、喪失する記憶の範囲が広く、忘れた内容を思い出しにくかったり、徐々に記憶障害が進行したりします。
ちなみに、患者には、アルツハイマー病であるという認識がありません。
●歯周病がアルツハイマー病の原因になる仕組み
歯周病にかかっている方は、そうではない方と比べて、アルツハイマー病になる可能性が高いとされています。
九州大学では、歯周病菌を投与したマウスは、アルツハイマー病の原因物質であるアミロイドβが10倍近くも増加するというデータが発表されました。
歯周病菌が増加すると、免疫細胞が過剰な攻撃を始め、免疫細胞自体にも炎症が起こります。
また、炎症物質が免疫細胞を刺激することにより、アミロイドβが作られます。
こちらのアミロイドβは、その後脳に取り込まれ、蓄積することにより、アルツハイマー病を引き起こすリスクが高まるという仕組みです。
ちなみに、歯周病によって歯が抜けたり、弱くなったりすることで、咀嚼機会が減少し、脳機能が低下することも、アルツハイマー病の原因と考えられています。
●歯周病対策について
歯周病やアルツハイマー病になるのを防ぐには、歯周病菌に栄養を与えないために、食後のブラッシングを丁寧に行わなければいけません。
また、間食を減らすことによって歯の再石灰化を促したり、咀嚼回数を増やし、唾液を分泌させて口内をキレイにしたりすることも大切です。
一度歯科クリニックでクリーニングをしてもらった後、口内のキレイさをキープしていくという方法もおすすめです。
●この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・アルツハイマー病は認知症の中でもっとも患者数が多いタイプ
・歯周病にかかっている人はアルツハイマー病になる可能性が高い
・アミロイドβの増加、咀嚼機会の減少などがアルツハイマー病の原因
・歯周病やアルツハイマー病を防ぐには毎日の口内ケアが大切
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!
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