メンタルヘルスは、一言で言うと心の健康状態です。
単に精神的な疾患にかかっていないだけでなく、心が穏やかで、日々ストレスにうまく対応しながら自分らしく生活できている状態を指します。
今回は、そんなメンタルヘルスと歯周病の主な関係について解説します。
ストレスによる免疫力低下と細菌の増殖
人は強い精神的ストレスを感じると自律神経のバランスが崩れ、身体の免疫機能が著しく低下します。
通常であれば、私たちの身体に備わっている免疫システムが歯周病菌の増殖を抑え込んでいますが、ストレスによって防御力が弱まると細菌が繁殖しやすい環境が整います。
その結果、歯茎に炎症が起きやすくなり、すでに歯周病を患っている場合は症状が急激に悪化する直接的な原因になります。
このように、心の疲労はダイレクトに口の中の抵抗力を奪い、悪玉菌の優勢を招くため、日頃のメンタルケアはそのまま口腔内の健康を守るための大切な防衛策にもなります。
つまり精神的な安定を保つことは、目に見えない口内の細菌と戦う力を高めることにつながるということです。
ストレスホルモン・コルチゾールの悪影響
精神的な負荷が長期化すると、副腎皮質からコルチゾールと呼ばれるストレスホルモンが過剰に分泌されます。
このホルモンには本来、抗炎症作用などがありますが、慢性的に多く分泌され続けると、逆に体内の免疫組織を抑制してしまう働きがあります。
これにより、歯茎の毛細血管が収縮して血流が悪くなり、歯周組織へ十分な栄養や酸素が行き渡らなくなります。
結果として、歯周病菌に対する抵抗力が著しく落ちるだけでなく、傷ついた歯茎の修復機能や組織の再生力まで低下してしまいます。
自覚症状がないまま歯周ポケットの奥深くで病状が進行するケースも多く、ホルモンバランスの乱れが歯周病を裏から悪化させる、非常に大きな要因となっています。
唾液の分泌減少と口内の乾燥
緊張や不安、慢性的ストレスに晒されると交感神経が優位になります。
これにより、自律神経の働きによってコントロールされている唾液の分泌量が劇的に減少します。
唾液には口の中の細菌を洗い流す自浄作用や、細菌の繁殖を抑える抗菌作用、酸に傾いた口内を中和する作用など、多くの重要な防御機能が備わっています。
しかしストレスで口が渇くドライマウスの状態が続くと、これらの恩恵を受けられなくなり、歯周病菌にとって極めて活動しやすい環境が完成します。
ネバネバした不快感とともに細菌が定着しやすくなり、歯茎の炎症や出血、急激な病状の進行を招くため、心理的な負担による唾液の減少は決して見過ごせません。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・ストレスによって免疫力が弱まると、細菌が繁殖しやすい環境が整ってしまう
・ストレスホルモンのコルチゾールは、歯周病菌に対する抵抗力、傷ついた歯茎の修復機能や組織の再生力を低下させる
・緊張や不安でドライマウスの状態が続くと、唾液が減少し、歯周病菌にとって活動しやすい環境が完成する
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!
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