虫歯治療では、基本的に麻酔処理が施されます。
また治療後の食事については、“麻酔の効果が切れてから”とよく言われますが、具体的にはどうなれば“効果が切れた”と判断できるのでしょうか?
今回は、基準となる患者さんの状態をいくつか解説したいと思います。
唇や舌の感覚がわかる
虫歯治療の麻酔が効いている間は、自分の唇や舌を指先で触っても、まるで分厚いゴムやシリコン、あるいは他人の体を触っているかのような奇妙で感覚の鈍い状態が続きます。
しかし麻酔の薬効が切れてくると、指先が皮膚や粘膜に触れた瞬間に、それが紛れもない自分自身の体の一部であるという自然な触覚が、狂いなく脳に伝わるようになります。
触られた場所がミリ単位で正確に分かり、指が押し当ててくる圧力の強弱や、指の皮膚の質感まで細かく認識できるようになれば、神経の伝達機能が正常に戻っている証拠です。
この自分の組織としての感覚が完全に復活し、触ったときの違和感がどこにもなくなれば、触覚における麻痺は完全に消失したと判断して問題ありません。
唇をすぼめて“ウ”の形を作ることができる
麻酔の薬液が運動神経にまで作用していると、口元の筋肉を自分の意思通りに動かすことが極めて困難になります。
特に、唇を前方へと突き出す“すぼめる動き”は麻酔の影響を非常に受けやすく、効いている間は唇が片側に歪んでしまったり、隙間が空いて空気が漏れたりします。
口元を“ウ”の形にしっかりと左右対称に尖らせることができ、さらにその状態のまま唇にギュッと力を入れることができるようになれば、運動神経の麻痺が解けた強力なサインです。
これがスムーズにできるようになっていれば、話す際の発音のしづらさや、口元が緩んでだらしなくなってしまうといった運動機能の低下も解消されていることがほとんどです。
ストローで飲み物を飲んでも漏れない
麻酔が唇や頬に効いた状態のまま、ストローを使って水分を飲もうとすると、口唇をストローの周囲に隙間なく密着させることができません。
そのため、吸い上げるための圧力が外に逃げてうまく飲めなかったり、治療した側の口角から液体がダラダラと無意識に漏れ出したりしてしまいます。
コップやストローから水分を口に含む際、唇を密着させることができ、吸い上げても飲み物が漏れずに保持できるようになれば、口全体の閉鎖機能が完全に回復しています。
この状態にまで達していれば、麻酔による麻痺を原因とする誤嚥や、衣服を汚してしまう心配をすることなく、通常の水分補給や食事を開始しても問題ありません。
この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・唇や舌の感覚がわかるようになれば、神経の伝達機能が正常に戻っている証拠
・口元を“ウ”の形に尖らせることができ、その状態のまま唇に力を入れることができるようになれば、運動神経の麻痺が解けたサイン
・ストローで飲み物を飲むとき、漏れずに保持できるようになれば、口全体の閉鎖機能が完全に回復している
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!
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