ペリソルブ療法とも呼ばれるペリオプロは、プラークや歯石をやわらかくしたり、口内を殺菌したりする薬剤療法です。
ペリオプロは、歯茎を傷付けずに行える歯周病治療法として人気がありますが、一般的な歯周病治療とはどのような違いがあるのでしょうか?
今回はこちらの内容について解説します。
●プラークコントロールとの違い
プラークコントロールとペリオプロは同じ歯周病治療ですが、アプローチの仕方が異なります。
プラークコントロールは、主にブラッシングによって口内のプラークを取り除いて歯石の形成を防いだり、歯周病菌を減らしたりするものです。
プラークの除去だけであれば、患者さんが自宅で行うことも可能です。
一方、ペリオプロは歯科クリニックに訪れなければできない治療であり、プラークだけでなく歯石もやわらかくして除去することができます。
●歯周基本治療との違い
歯周基本治療とペリオプロには、物理的な除去なのか、薬理作用による除去なのかという違いがあります。
歯周基本治療とは、一般的にスケーリングやルートプレーニング、機械的な歯面清掃などを指しています。
スケーリングはスケーラーという器具を使用し、歯の表面の歯石やバイオフィルムを除去する治療です。
ルートプレーニングは、歯周ポケット内の歯石や歯根表面の汚染されたセメント質を除去し、歯の根を硬く滑らかにする措置です。
また歯周基本治療は、物理的に歯周病菌の温床となるプラークや歯石を除去しますが、ペリオプロは薬の効果によって効率的な除去を行うことを目指しています。
ちなみに、ペリオプロを作用させた後は、基本的にスケーリングやルートプレーニングも実施されます。
●歯周外科治療との違い
歯周外科治療とペリオプロとの違いとしては、外科的な処置を行うか行わないかという点です。
歯周外科治療は名前の通り、歯茎の切開などの外科的処置を伴う治療法です。
具体的にはフラップ手術、歯周組織再生療法などが該当します。
一方ペリオプロは、薬剤が病巣に作用したタイミングで、通常通りのスケーリングやルートプレーニングを行うものです。
そのため、歯茎の切開などは行いません。
●この記事のおさらい
今回の記事のポイントは以下になります。
・ペリオプロはプラークコントロールでは落とせない歯石も落とすことができる
・歯周基本治療は物理的な歯周病菌の除去、ペリオプロは薬理作用による歯周病菌の除去を行う治療
・ペリオプロの後には基本的に歯周基本治療が行われる
・ペリオプロは、歯周外科治療で行うような外科的処置を伴わない
以上のポイントはしっかりと押さえておきましょう!
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